That's because I love you.
「…もう挿れるから。」
「…っ…、…ぁ…っ!」

まりあの狭い中に押し入ると、温かさと強い締め付けから来る強烈な快感が、明広の身体に一気に押し寄せる。
抑え切れない欲情に身を任せ、まりあの中の最奥を激しく突く。

「…ぁん…、…ぁ…っ。……っ、…ゃぁ…!」

まりあはか弱く喘ぎながら、自分を組み敷く明広をおずおずと見上げる。

「…明広さん。…怒ってる…の…っ?」

まりあが今にも泣き出しそうな表情で震えていることに気付いた明広は、少しだけ我に返る。
動くのを止め微笑み、不安そうなまりあの小さな頭を撫でてやる。

「…何で。怒ってないよ。」
「…ほんと…?」
「本当。溜まってたから早く解消したかっただけ。…性急でごめんね。」
「……。…んーん…。」

明広はまりあを慰めたつもりだったが、この時まりあの目尻から零れた涙は、痛み傷付いた心から来たものだった。
明広に再び激しく求められ、切なげな嬌声を漏らすまりあの脳裏には、先日西沼から聞かされた言葉が蘇っていた。

"アイツ、あんたのこと好きとかそういう感情、全く無いみたいよ?"
"御木本は恋愛感情無くてもヤれる男なんだよなぁ。元カノ達の中にだって好きで付き合ってた女なんか、一人も居ねぇみたいだし。"
"アイツにとってさ、『私のこと好き?』とかいうのほどうざってぇ台詞はねぇから。それ言った女はみ~んな、アイツにバッサリ切られてたよ。"

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