That's because I love you.

「おいぃぃ…！！御木本、いいのかよ！」
「…何が。」
「だってやべぇじゃん！あの加賀見クンに迫られたら…さすがのまりあちゃんでもグラッと来ちまうかも…！」
「…その方が良いんじゃない。…まりあ、僕と一緒に居て傷付いてたらしいし。」
「…御木本…？」

そう呟いた明広は、最初はいつも通りの無表情に見えたが、よく見ると少し眉根を寄せ、物思いに沈んでいる様な瞳をしていた。
かつて見たこともない彼の哀しそうなその表情に、森は思わず目を見開き、言葉を無くしてしまったのだった。