That's because I love you.
数日後―――。

「望月さん、おはよう。」
「…!加賀見くん、おはよぉ~。」

朝、大学に着いたまりあが廊下を歩いていると、加賀見に声を掛けられた。

「グループワークの発表に向けての話し合い、今日の放課後だよ。忘れないでね。」
「うん!加賀見くんの行き付けのお店で話し合うんだよね。」
「そうそう、楽しみにしててよ。割と良い店だから望月さんも…、望月さん達も気に入ってくれると思うから。」
「加賀見くんの行き付けのお店なんて、すごく豪華そう~。緊張する~。」

加賀見はまりあの笑顔に癒されながら、にこっと穏やかに微笑み返す。

ーーー"グループワークの話し合い"というのは、加賀見の嘘だった。
グループワークの他のメンバーは加賀見の恋を応援するため、口裏を合わせていたのだ。
そうでもしないと加賀見は、彼氏に一途でガードの硬いまりあと二人きりでデートなど、出来なかったのである。

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