That's because I love you.
「…私も言おうとしたのに…っ。」
「…良いんだよ。まりあからはもう何度も言ってもらってるし。」
「何度でも言いたいです…っ。今言っていいですか…?」
「だーめ。ホテルで言って。」
「……!!」
「…赤。湯気もすご。いつまでそんな初々しい反応なの。」
「…だって…明広さんのこと大好きだから、何か勝手に…っ。」
「…結局言ったし。」

明広は苦笑しつつも愛おしそうな表情を浮かべ、照れてうつむき加減の彼女の唇に、もう一度触れるだけのキスをする。

「…僕も大好きだよ。まりあ。」
「……っ。…明広さぁん…っ。」

明広が返した言葉に、まりあはぶわぁっと涙を溢れさせた。

「うわ。今度は涙腺大崩壊…。」
「だ…だって~…っ。」
「ほら行くよ。…早くまりあと二人きりになりたい。」
「……っ!!」

甘い言葉を連発する明広に、色々キャパオーバーのまりあはついに目を回してしまう。
明広はそんなまりあの片手を握り、引っ張って歩く様促す。

「…そういえば、何で今日呼び出したの?明日会う約束してたじゃん。」
「だって、やっぱりイブに少しでも明広さんに会いたかったんです…っ。」
「…女子って何か謎にイブが好きだよねぇ。」
「イブが好きというか、二日あるクリスマス、どっちも明広さんに会いたかったんです~。」
「へー…。よくわからないけどいいや。幸せだから。」
「…はい…っ!」

指を絡めて手を繋ぎ歩きながら、二人共に幸せそうに笑い合う。
それから明広は、二人が初めて夜を共に過ごしたホテルへ、まりあを連れて行ったのだった。



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