That's because I love you.
クリスマスデート
ーーー翌朝。
10時過ぎにようやく、明広が目が覚ます。
目の前には、未だすぅすぅと平和に寝息を立てるまりあが居た。

「……………。」

昨晩の記憶が一気に蘇った明広は、無意識に片手で頭を抱えていた。

(……やばい…。怒ったよな…まりあだって、昨日はさすがに…。…まりあは何度も"待って"って言ってたのに、止めてあげられなかった…。)

今日はまりあとの記念すべき初喧嘩の日になるかもしれないーーーそんな予感が頭によぎり、だらだらと冷や汗を流していると、まりあが「んん~」と唸って身をよじらせた。
ギクーッとして体を硬くした途端、まりあの瞼が開き、碧の瞳と目が合った。

「…ふぁ~…。明広さん、おはようございます~。…あれぇ?私昨日いつ寝て…?」
「……おはよ…。」

明広は彼女に怒られる覚悟を決めると、身を起こして座り、彼女に頭を下げる。

「…まりあ、昨日はごめん。無理させて…。…まりあと両想いになれて嬉しくて、完全に理性飛んでた…。」
「……ふぇ?…両想い…、……。」

寝ぼけていたまりあは目を擦り上体をゆっくり起こしながら、昨日の記憶を呼び起こす。
昨日の目まぐるしい出来事が脳裏に蘇ると、みるみるうちに顔を赤く染めた。

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