That's because I love you.
その頃のまりあは、バイト先の喫茶店の更衣室で帰り支度をしていた。
今日はバイト仲間の女性が病欠したため急遽ピンチヒッターを頼まれ、たった今その仕事を終えたのだ。
「望月さん、今日はありがとね~!ほんと助かったわぁ。」
「いえ…!今日講義午前で終わりだったので、来れてよかったです~。」
「ふふ、それにしても今日は何かずっとご機嫌ねぇ。最近さらにキレイになったし、もしかして彼氏でもできた~?」
「…ふぇ…っ!?え…えと、…はい…。」
「え、ほんとに?ついに~っ!?どんな感じの人?今度店に連れてきてよ~っ!」
「えぇ…っ?」
「よろしくね~!あ~、楽しみだわぁ~♪」
テンションが高い中年の女性店長に見送られ、まりあは店を後にする。
(…"彼氏"って言葉、まだ慣れないなぁ…。)
無意識に頬を染めつつスマホを開くと、明広から"今講義終わった。後でねー。"とメッセージが届いていた。
思わずぱぁぁ、と顔を輝かせる。
(夕方明広さんに会えるって思ったら、バイトすっごく頑張れちゃった…っ。楽しみだよぅ、嬉しいよぅ~っ。)
明広との待ち合わせ場所へ、足取りも軽く歩いていた。
するとふいに、明広と同い年くらいの男二人に声を掛けられる。
「ね~、君!ちょっといい?」
「…はい…?」
「お、やっぱこの子だ!御木本の新しい彼女!」
「マジ…!?すげぇ、話には聞いてたけどマジでギャルじゃね~じゃん!アイツこーいうのも射程範囲内だった訳?」
「つーか君さ、滅茶苦茶可愛いね~。なぁ御木本で良いんならさ、俺らの方がよっぽど誠実よ?比べてみねぇ?」
まりあと付き合い始める前それなりに女遊びをしていた明広は、女好きのチャラ男達のグループに誘われ、たまに行動を共にしていた。
この二人は、そのグループの一員である。
男達が明広を誘うのは、明広のことを友達と思っていたからではない。
女性にモテまくる明広を仲間に引き入れておくと、自然と女性達が群がって来てくれるからだった。
明広もそれを理解していたのでその男達を仲間と思ったことは一度もなく、寧ろ内心で常に馬鹿にしていた。
まりあはこういった荒い言葉遣いをする男性が苦手な上、二人は一目でチャラ男だとわかる派手な服装に身を包んでいたので、二人に詰め寄られたまりあは完全に萎縮してしまう。
「…く…、比べないです…。私、明広さんしか…。」
「んなつれねぇこと言わねーでさぁ。そこにバイク停めてっからさ、乗りなって!な?」
男におもむろに肩を抱かれ、ぞわっと嫌悪感が走る。
恐怖に青ざめ震えながらも、まりあは男二人に対し必死で抵抗する。
「やぁ…離してください…っ!」
「うわ、んな暴れんなよ!」
「…明広さん以外の男の人なんて…やだぁ…っ!」
まりあを無理矢理バイクの方へと引っ張る男達から引き離してくれたのは、明広だった。
今日はバイト仲間の女性が病欠したため急遽ピンチヒッターを頼まれ、たった今その仕事を終えたのだ。
「望月さん、今日はありがとね~!ほんと助かったわぁ。」
「いえ…!今日講義午前で終わりだったので、来れてよかったです~。」
「ふふ、それにしても今日は何かずっとご機嫌ねぇ。最近さらにキレイになったし、もしかして彼氏でもできた~?」
「…ふぇ…っ!?え…えと、…はい…。」
「え、ほんとに?ついに~っ!?どんな感じの人?今度店に連れてきてよ~っ!」
「えぇ…っ?」
「よろしくね~!あ~、楽しみだわぁ~♪」
テンションが高い中年の女性店長に見送られ、まりあは店を後にする。
(…"彼氏"って言葉、まだ慣れないなぁ…。)
無意識に頬を染めつつスマホを開くと、明広から"今講義終わった。後でねー。"とメッセージが届いていた。
思わずぱぁぁ、と顔を輝かせる。
(夕方明広さんに会えるって思ったら、バイトすっごく頑張れちゃった…っ。楽しみだよぅ、嬉しいよぅ~っ。)
明広との待ち合わせ場所へ、足取りも軽く歩いていた。
するとふいに、明広と同い年くらいの男二人に声を掛けられる。
「ね~、君!ちょっといい?」
「…はい…?」
「お、やっぱこの子だ!御木本の新しい彼女!」
「マジ…!?すげぇ、話には聞いてたけどマジでギャルじゃね~じゃん!アイツこーいうのも射程範囲内だった訳?」
「つーか君さ、滅茶苦茶可愛いね~。なぁ御木本で良いんならさ、俺らの方がよっぽど誠実よ?比べてみねぇ?」
まりあと付き合い始める前それなりに女遊びをしていた明広は、女好きのチャラ男達のグループに誘われ、たまに行動を共にしていた。
この二人は、そのグループの一員である。
男達が明広を誘うのは、明広のことを友達と思っていたからではない。
女性にモテまくる明広を仲間に引き入れておくと、自然と女性達が群がって来てくれるからだった。
明広もそれを理解していたのでその男達を仲間と思ったことは一度もなく、寧ろ内心で常に馬鹿にしていた。
まりあはこういった荒い言葉遣いをする男性が苦手な上、二人は一目でチャラ男だとわかる派手な服装に身を包んでいたので、二人に詰め寄られたまりあは完全に萎縮してしまう。
「…く…、比べないです…。私、明広さんしか…。」
「んなつれねぇこと言わねーでさぁ。そこにバイク停めてっからさ、乗りなって!な?」
男におもむろに肩を抱かれ、ぞわっと嫌悪感が走る。
恐怖に青ざめ震えながらも、まりあは男二人に対し必死で抵抗する。
「やぁ…離してください…っ!」
「うわ、んな暴れんなよ!」
「…明広さん以外の男の人なんて…やだぁ…っ!」
まりあを無理矢理バイクの方へと引っ張る男達から引き離してくれたのは、明広だった。