That's because I love you.
「…お腹とかは痛くないわけ?」
「は…はい…っ。ルナ飲んだので…お腹の痛みはほとんど…。」

(…明広さんが近い…っ。)

かぁ~っと頬を染め慌てるまりあに、明広は吹き出す。

「顔青くしたり赤くしたり忙しいな。思ったより元気で安心した。」
「ぁ…明広さんが部屋に来てくれたから…。さっき元気が出たんです…っ。」
「…あっそ。」
「はい…っ。」
「ぶれないねぇ。」
「はい…っ。」

普段通りの会話をして、微笑み合う。
明広が滞っていた家事を片付けてやった後、買って来た惣菜を二人で食べた。
その後明広はまたまりあをベッドに寝かせ、布団を掛けてやる。

「ごめんなさい、明広さん…何から何まで…。」
「大袈裟。そんな大したことしてないでしょ。」
「大したことです…っ。明広さんに洗い物させちゃったり、洗濯物取り込ませちゃうなんて…っ。」
「見たことないパンツあったな。いちご柄とか。」
「…ふぁぁぁ…っ!!」
「今度する時あれ着てよ。」
「やぁ~っ!あれは…あれは…おうち用手抜きパンツで…っ!」
「可愛いじゃん、小学生みたいで。」
「ふぅぅ~…。もうダメ…私もう…っ。」
「…ふっ…。」

ベッドに頬杖をついた腕に顔を埋め笑っている明広を、まりあは涙目で見やる。

「…明広さん…。」
「んー?」
「ごはんもほんとにありがとう…すっごく美味しかったです…っ。後でお金…」
「金はいいよ。それよりさ…」
「……!」

"ーーー生理だって言ったらさぁ、『じゃあ口でして』とか言ってくんの!"

華の言葉を思い出したまりあは、内心でそれを覚悟する。
しかし明広が続けた言葉は、まりあの想像の範疇外のものだった。

< 71 / 165 >

この作品をシェア

pagetop