That's because I love you.
大事な日
月が明け、9月8日。
昼食時、まりあと華は大学の食堂に居た。
華は食堂の定食、まりあは持参した弁当で昼食を終えると、今日は周りに人が少なかったこともあり二人は女子トークを始めた。

「まりあ、お付き合い四ヶ月突破おめでと~っ!あの御木本サンとこんなに続くなんてすごいよ、前代未聞だよまりあ!」
「あ…ありがとう…っ。」
「今日は大事な日だしさ、デート楽しんどいで~♪」
「うん…っ!」

嬉しそうなまりあの笑顔に癒された華も、満面の笑顔になる。

「はぁ~♪まりあの余りの可愛さに、御木本サンもついに恋に目覚めたんだねぇ~!」
「…ん~。それはないと思う…。」
「なんでぇ?」
「…"好き"って、一度も言われてないから。」
「…へ?…嘘!?」
「嘘じゃないよぉ…。」
「…………。」

まりあの思わぬ言葉に華は一瞬ぽかんと放心した後、堰を切ったように騒ぎ出した。

「あんたら付き合って四ヶ月も経つんでしょォォ…!私、とっくにラブラブなんだと思ってたよ!?つかさ、まりあが"好き"って言ったらあっちもそう返してくれないの!?」
「いつも"はいはい"って返されてる…。」
「エッチの時は!?言われないの!?」
「言われない…。」
「何それェ…!じゃあまりあにあんなに優しいのは何でな訳!?」
「…ん~…。何らかの情は湧いてるのかな…?」
「…じょ、情って…。まりあぁ…それでいいの?幸せなのほんとに…?」
「…充分過ぎる程幸せだよ。明広さん優しくしてくれてるから…。」

まりあは少々弱々しく、しかし確かに幸せそうに、ふにゃっと笑った。

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