夜を照らす月影のように#3
僕は布団から出ると、窓を開ける。

「……寝れない……な……」

僕は窓から屋根の上に登ると、そこから見える朝焼けを眺めた。



「……ノワール、おはよう」

「先生、おはよー!」

僕がリビングに向かうともうエリカさんとリオンは起きていて、僕は「おはよう」と返す。

エリカさんがこの家に来て、1週間。エリカさんは僕らには敬語を使わなくなって、お母さんと楽しそうに話してたりしている。

僕は席に座ると、朝ご飯を食べ始めた。その間に思い出すのは、僕の幼なじみのこと。

……彼は、今……どこで何をしているんだろう。詩人として、もっと有名になってたりするのかな……。

彼のことを考え始めたら、僕の頭の中は彼のことでいっぱいになる。

彼と過した日々は、楽しくて、辛いことも忘れられて……それで、胸が温かくて……ドキドキしたこともあったっけ。

「……ノワール」

「ん?」

僕が彼について考えていると、リオンに声をかけられてリオンの方を向いた。

「……何か考え事でもしてた?」

「え?うん……ちょっと、小説のことを考えてて……!」

僕は、そう言って微笑む。リオンは、僕をじっと見つめた後「ふぅん……」と声を漏らして、僕から目を逸らした。

咄嗟に嘘ついたけど、バレないかな。リオン、勘が鋭いからな……。
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