俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
*・独占欲な執事様。*・
Sランク執事の甘いお願い
今日も雪は降ってくれない。
寒さは十分すぎるほどあるのに、毎朝毎朝こうして窓を覗いてチェック。
「エマお嬢様、朝食のご用意ができましたよ」
「まって、まだ着替えてないっ」
「ならお手伝い致しましょうか?」
「うん。……えっ!?いいよ自分でするから…!!ハヤセって意外と変態執事だよ……!」
どうせそうやってからかってるんだからっ!!
Sランク執事なら何してもいいわけじゃないぞって気持ちで見つめてみても。
くすくす笑ってるだけ。
「スカートにしようかな」
「…え?」
「スカート、一応は持ってるから!そろそろショートパンツもおさらばかなぁ…」
わたしのつぶやきに返事はすぐに返ってこなくて。
むしろ何かを考えているみたいで、そして「駄目です」の一言で決着。
「駄目ですって、わたしの自由だもん。たまにはイメチェンも大事だって理沙にも言われちゃって!」
12月になって、あれから九条 理沙とは友達のように話す日々。
もちろん向こうは「友達じゃない」と否定してくるけど、一緒にお昼ごはんを食べてくれたりもして。
ツンツンしてる子なのだ理沙は。