俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「あっ、そうだ!」
「エマお嬢様…?」
部屋へ向かってクローゼットを漁って。
そしてお目当てものを身に付け、ハヤセの前でクルッと回ってみせる。
「あったかいから今日からこれにしよっと!」
「……お嬢様、駄目ですそれは」
「スカートじゃないだけ良いじゃんっ」
ショートパンツのままなんだから許して欲しい。そこに黒いニーハイソックスを合わせただけだ。
クラスメイトにはタイツを合わせている子だっているし、そういうアレンジは自由らしい。
「…強調されてんじゃねえかよ」
「えっ」
「いいえ、くれぐれも俺の傍を離れないように」
いや、えーーっと……。
前々からツッコもうかどうしようかって迷ってたんですが……。
そのたまに出る、すっごい低い声と乱暴な口調はどこから出してるの……?
そんな今月の24日は彼の誕生日でして。
「ねぇ理沙は碇にいつも何をプレゼントしてる?」
「碇さん、でお願いしますエマお嬢様」
「理沙、碇はネクタイとか?」
「エマお嬢様?聞いておられますか?」
わたしに呼び捨てされることが気に食わないらしい碇。