俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
だって今まではわたしを“破壊神”って目で見てたくせに、少しは感謝して欲しいもん。
あなたの大切なお嬢様を助けたんだからわたしは。
「碇は何を貰ったら嬉しい?」
「…そうですね、私はお嬢様から与えられるものなら何だって嬉しいです」
お、もう諦めてくれたらしい。
校舎内の中庭は色とりどりな花が揃えられた花園。
優雅な気分で歩くキャラじゃないけど、こうして友達と歩く休み時間が何よりも嬉しくて。
「…あんたって本当にバカエマよね」
「え、なに急に!」
ずっと黙り込んでいた理沙がとうとう何かを言ってくれたと思ったら。
良いアイデアじゃなく、相変わらずなことを言ってくる。
「本人がいる前でその話してどーするのよバカエマ……!!」
「………あ。」
思わずゆっくり振り返ってみれば、必ずいつもいる男が優しく微笑んだ。
……忘れてた。
忘れてたっていうか、なんかもう一体化してるから。
わざわざ考えてないのだ。
いるのが当たり前なんだもん。
「盛大なネタバレしてんじゃないわよ!!」
「そうじゃん…!ハヤセっ!いまの記憶消せる!?」
「…努力してみます」