俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「いいよっ!寝るよ!!わたしだって別に全然っ!気にしてないもん!!」


「ではよろしくお願いします」


「うんっ!行くぞ部屋っ!」



何をよろしくお願いしますなの?
わたしは何をよろしくするの…?

思わず挑発に乗ったような気持ちで了承しちゃったけど……。


内心は……うわぁぁあああっ!!!、だ。



「…わ、ハヤセの部屋初めて入る……」


「つまらない部屋でしょう」


「うん」


「…エマお嬢様、今日はいつも以上に生意気で可愛いですね?」



……なにそれ。
貶してる?褒めてる?馬鹿にしてる?

でも残念、そんな挑発にだって今のエマは乗らないんだからっ。



「わっ!ハヤセっ、」



ぐいっと引かれて、そのまま証明は落とされた。

ぽすっとベッドに引き込まれたと思えば、隙間ないくらいに抱きしめられてる…。



「なにもしないって…っ!」


「…はい、これ以上はしません」



執事とお嬢様の関係の正しさって、なんだろう…。


たとえば、たとえばだよ?


恋、とか。

そーいうのって暗黙のタブーだったりするのかな……。



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