俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「ねぇ、私どこか変わったところがあるでしょう?執事のあなたなら分かるはずよ?当ててみて」


「…えっと、…ネイルを変えましたか?」


「ちがうわよっ!髪を5ミリ切ったの…!!」


「あっ!本当ですね…!よく似合っております…!」



いや分かるかっ!!
5ミリなんかさすがの執事も分かるか…!!

せめて5センチだったら気づくかもしれないけど5ミリって……。



「ねぇ八木、あたしどこか変わったでしょ?」


「は、はい…!」


「どこが変わったか当ててくれる?」



わ、ここにも似たような質問だ。

がんばれ八木。
がんばって外せーーーっ。



「はい!髪を5ミリほど切られたんじゃないかと…!とても素敵です!」


「マスカラを変えたのよ…!それくらい気づきなさいよ…!!」


「すっ、すみませんっ」



いや分かるかっっ!!
せめてアイシャドウとかでしょ……!!

マスカラ変えたことに気づけたらそれはもう超人だよっ!!


さすがの八木も無理だってば、それに八木だってそこまでランク高くないもんねー。


───と、3学期が始まって数日目。



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