俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




もちろんあのクリスマスイブ以来、キスはされてなくて、あれは夢だったのかなって思いつつあったり…。

抱きしめられることもなく、髪を優しく撫でたりしてくれるだけ。


それが物足りない…って思っちゃうわたしを隠して過ごす日々だ。



「今日はどんな夢を見たのですか?」


「回るお寿司屋さんに行ったの!それでね、好きなだけいっぱい食べた夢!」


「…回転寿司、ですか?」


「ハヤセ知ってるの!?なんか前にテレビでやってたから1回行ってみたくて!」


「俺も聞いたことしかありませんが」



お寿司が回るんだよ!すごくない!?

次から次にいろんなネタが回ってきて、それでデザートとかもあるんだって!

そんなの夢みたい…っ!って思ってたら、まさかそんな夢が見れちゃった今日。


そこにハヤセと一緒に行ってたんだよ。



「では、ファミレスの次は回転寿司ですね」


「えっ!一緒に行ってくれるの!?」


「俺でよければぜひご一緒させてください」



じーーんと、泣きそうだ。

わたしが欲しい言葉を分かってる、それでこんなにもサラッとくれてしまう。



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