俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「アリサより面白いかもしんない。あのわんころ」
「…ふざけんなよ」
「え?なんで?あぁ、昼間のことまだ怒ってるのかよ」
当たり前だろうが。
なにが子供を産ませるための道具だ、なにが性処理道具だ。
あそこで俺がお前の胸ぐらを離したのは、あれ以上してしまったらエマお嬢様の執事として生きれなくなる可能性があったからだ。
お前に脅されたからじゃない。
「おまえ見る目あるよ。あいつ、磨けばかなりのものになるだろうねたぶん」
もう磨かれてる。
あの少女は俺とまた出会う前からずっとずっと綺麗な目を持ってるんだ。
ただそれを、こんな男に言われることだけが腹立って仕方がない。
「てかSランクも大変だね。あんなわんころの専属しなきゃなんてさ」
「…俺はSランクだからエマお嬢様に仕えたんじゃない」
「は?」
「エマお嬢様のおかげでSランクになれたんだ」
俺は落ちこぼれだった。
泣き虫で逃げてばかりで、執事になんかなりたくなかった幼少期。
2人の兄は成績優秀でいつも比べられて、俺はぜんぜん追いつけなくて。
『あのね、四つ葉のクローバーはしあわせになれるの!だからあげるねっ』