俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
トホホな笑いを浮かべたハヤセ。
176センチなんて、わたしは想像すらできないのにっ!
「十分高いよ!わたしと20センチ以上も離れてるっ!」
「男からすると微妙なんです。イタリアにいた頃は周りの執事仲間に“piccolo ragazzo”と呼ばれていました」
「ぴっころらがっぞ…?」
「イタリア語でリトルボーイという意味です」
思わず吹き出してしまえば、むすっとしたような珍しい顔を発見。
だってハヤセがそんなこと言われるなんてびっくりだもん。
じゃあイタリアではハヤセがいちばん身長が低かったりしたのかな?
なんか想像したら、ちょっとだけ可愛いかもしれない…。
「ねぇハヤセ、幼児体型ってなに…?」
それは少し前に行われた健康診断にて。
154センチの身長と平均値より少ない体重だったわたし。
162センチある理沙は、鼻高々にそんな言葉を置いていった。
「…誰かに言われたのですか?」
「うん、理沙に笑われちゃった。わたしもう16歳だよ?さすがに幼児じゃないのに、理沙ってば間違えてるっ」
「…それはまた別の問題かと」
「別の問題……?」