俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
あ、また逸らされちゃった。
「いえ」と、ハヤセのその言葉はちょっとだけズルい。
別の問題ってなんだろう…。
どうしたらクラスメイトみたいに大人っぽくなれるのかなぁ。
胸とかお尻とか、わたしだってボンッ!ってなりたいもん。
『もう結局ねぇ、女がいちばん手っ取り早く綺麗になる方法なんか男なのよ~』
それは何気なく見ていたテレビ画面からだった。
課題も終わって夕食も食べ終え、お風呂から上がって。
寝る前のデザートはダイエットとか言ってたけど、ハヤセが用意してくれちゃうから美味しく味わっていた今。
「えっ、そうなの!?男なの!?どーいうこと…!?」
とくに変わったことなくぼんやり見ていたテレビ番組から、まさかわたしが欲しかった答えが返ってくるとは。
思わずソファーから降りてまでも大きな画面に釘付け。
「エマお嬢様、そろそろ寝ましょう。明日起きれなくなってしまいますよ」
「もうちょっと!これ見終わってから寝るから先に寝てていいよっ」
時刻は22:30過ぎ。
この時間帯は確かにニュース番組or大人向けの内容をしたものばかりで。