俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
ハヤセ……?唇に何か付いてた…?
ゆっくりと上唇から下唇、甘美にくすぐったくも触ってくる。
あの…ドキドキが止まらないんですが……。
これは一体どーいうこと…?
リップって指から出るものなの…?
「はや……んぁっ!?」
耐えられなくなって唇を開けてしまったタイミング。
ちょうどいいと言うように、なぜか中へ割り入ってくる2本。
「ぁっ、やや…ぇっ、」
指、食べちゃってるよわたし…っ。
いや食べてはないんだけど、噛んじゃわないように避けようと逃げる舌を逆に指が追いかけてくる…!
「んっ、ふっ、」
そんな反動で軽く噛ませてくる。
ハヤセの長くて綺麗な指は、わたしの舌を絡ませるようにわざと動かされて。
「はひゃっ、」
唾液がいっぱい出ちゃってるよ…。
それすらお構い無しというように絡ませてくるもん…。
仕方なくはむっと噛んで、そんなものに目の前の顔は欲が顕れるものへ変わった。
「…やっぱ駄目だろ」
「ぅはっ…わあっ!」
と、つぶやいたかと思えばスッと引き抜かれて、戸惑う暇なく抱きしめられて。
背中に回されて、ぎゅうっと引き寄せられて。
はあっと重い吐息が静かな部屋に響いた。