俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「美味しいっ!ハヤセ、カレーまであるよ!」


「エマお嬢様、そんなに一気に取らなくても無くなりませんよ」


「だって回ってくるんだもんっ!」



テーブルにはお寿司、お味噌汁、うどん、カレー、ケーキ、パフェ、回ってくる度に取ってしまうわたし。

ここはファミレスも混ざってるの?なんて思ってしまくらいにメニュー豊富で。


それにやっぱり他のお客さんとの距離が近くて、逆にワクワクする。

わたしはこーいう空気感のほうが好きだ。



「ハヤセ、お茶おかわりいる!?結構減ってるよね!?ねっ!?」


「いえ、まだ半分───…そうですね、お願いしてもいいですか?」


「うんっ!!」



待ってましたっ!!

テーブルに付属されているお湯が出る蛇口。こんなテーブルを見たのは初めてだった。



「エマお嬢様、火傷しないようにしてくださいね」


「うんっ」



お湯に溶けるタイプのお茶っ葉を入れて、自分で注ぐ。


なんって楽しいの……!!

わたしはこんなのを知らずに16年間を生きてしまっていたらしい。



「どーぞ!」


「ありがとうございます。…美味しいです、今までで一番」


「やったぁっ!わたし今日からハヤセのお茶注ぐ係になるっ」



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