俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
昔っから忙しい人で、帰ってきたと思ったらお姉ちゃんのことばかりを聞いて。
わたしには「勝手にやらせとけ」なんて言うような実の父親だ。
けど別にわたしはそれが気楽だったから、ぜんぜん問題ナシなんだけど。
……そこに関しては。
「し、失礼…しまーす、お父さん、」
「……エマ?なにしに来たんだ」
「た、たまたま近くに来たから…」
そりゃそうだよね、そんな反応されるよね。
だってわたしは早乙女財閥の御曹司を叩いちゃったんだから。
きっと話はすでに通っているはずだ。
「お姉ちゃんの具合は大丈夫なのかなって…!」
「あぁ、新学期から戻れる。…だがエマ、お前は今までどおり聖スタリーナ女学院にアリサと通え」
「えっ、いいの…?」
まさかの答えだった。
てっきり「お前はもう必要ない」とでも言ってくるかと思ってたのに。
そうなると公立高校かーーって考えて、でもハヤセとお別れは嫌だぁって思って。
そしたら、そんなことを言われた。
「柊と早乙女は繋げてもらわねばならんからな」
「……え…?」
いや、だってお姉ちゃんが戻るんだよね…?