俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「な、なるの…?わたしの、執事…やめちゃうの…?」
「…はい」
「っ…、」
はいって、なに。
どうしてそんなふうに言っちゃうの。
だって約束したのに。
あなただけは辞めないんじゃないの。
「俺がアリサ様の傍にいれば…彼女はエマお嬢様のことを思い出すかもしれません」
「そ、そんなの別にいいよ…!そのためにお姉ちゃんのほうに行っちゃうなら……そんなのしなくていい…っ」
「…どうして、ですか?」
どうしてって…逆にどうして…?
意地悪だよ、ハヤセ…。
あなたはすっごくすっごくいじわるだ…。
「嫌だからに決まってる……っ」
「どうして嫌なのですか?」
「っ…、だって約束したから…!おばあちゃんになっても100歳になってもずっと一緒って…っ」
「…俺とあなたの約束の意味は、きっと違います」
それはもうお姉ちゃんのほうがいいって言われたのと同じだねって、受け取っちゃう。
なにも間違ってないや…。
やっぱりあなたもお姉ちゃんのほうがいいんだね。
そりゃこんな、ネックレスを1日で壊してしまうような破壊神だもんねわたし。
「…どうして泣いているのですか?」