俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「火傷しています。すぐに冷やしましょう」
たった今おじいちゃんがこぼしたルイボスティーが手に飛んでいたこと。
それに簡単に気づいてしまったSランク。
「へ、平気っ!こんなの全然だいじょーぶだからっ」
「駄目です。跡が残ったらどうするのですか」
もうわたしはあなたのお嬢様じゃないし、お姉ちゃんはすぐ隣にいるのに。
わたしの執事でもない。
だからこんなことしなくていいのに…。
「それと御子柴さん、エマお嬢様のご飯は大盛でお願いします」
「んん?いっぱい食べるんじゃな…」
「それと食事中の飲み物は冷たいフルーツジュースにしてあげてください」
「ほ、ほう、了解じゃ」
ズルい、わたしのことは一番わかってますって?
あなたはすごく欲張りってことだ。
お姉ちゃんも欲しくてわたしに対しても良い顔をする。
それを世間では八方美人っていうの。
「いいのおじいちゃんっ、わたし自分でよそえるから大丈夫!」
「すまんのぅ…」
「ううんっ!あとで肩揉みしてあげるね」
わたしの執事は御子柴さんだ。
あなたはお姉ちゃんの、柊 アリサの執事。