俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「───…ハッ!いかん、寝てしもて…」
お日さまが当たる端っこ、おじいちゃん用に用意されたアームチェアにこっくりこっくりと座っていて。
前ならハヤセが必ず傍で見守ってくれていたから、こぼすことまでしなかったというのに…。
ううんっ!考えないっ!!
もうわたしの執事じゃないし関係ないもん!!
「今日がテストだと前々から言っていたわよね?ちゃんと復習はしていたの?」
「…英語の補習に追われてて、」
「みんな必ず前日にお復習(さらい)を個々でしているわ。練習不足、実力不足ね」
「……ごめんなさい」
公開説教だ。
この歳のおばさんは嫌味のレベルがすごいから嫌になる…。
「あなたは今まで何を勉強していたの?座学からやり直しね、当分の間は放課後残りなさい」
「……はい」
「そもそもお茶を立てるどころかこぼす生徒だなんて、スタ女ではあり得ないことなの。もっと自分を恥ずかしく思いなさい」
うわっ……グサッときた…。
だってお姉ちゃんの前で、ハヤセの前でそんな公開処刑みたいなことされちゃったんだもん…。