俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
だって例え記憶を失ってても、わたしとお姉ちゃんは姉妹なんだよってちゃんと教えてきた。
でもその上でもあなたはわたしを“エマちゃん”って呼ぶ。
それが答えなんじゃないのって、わたしは完全にあなたに嫌われていたんじゃないのって。
あぁもう……ぜんぶが嫌になる…。
「私たちは姉妹なんだから。この先も一緒に助け合っていきましょ?」
「……うん、ありがとうお姉ちゃん」
それだったらどうしてわたしのこと忘れちゃったの…?
姉妹なんでしょ…?普通忘れる……?
お姉ちゃんがお姉ちゃんじゃないみたいに見えちゃうし、そもそも顔だってぜんぜん似てない。
父親だけは同じだから雰囲気は同じだけど、髪色だってわたしは地味な黒だ。
あなたは綺麗な長い茶色。
歩くだけでふわっと香る花の匂い。
「アリサさん優しい~~。あたしもあんな秀才なお姉ちゃんが欲しかったなぁ~」
「それに比べあの問題児。スタ女の生徒として恥ずかしいったらないわね」
お姉ちゃんの好感度しか上がらないこのシステムなんなの…。
ついでにわたしの好感度も1ミリくらいは上げてくれたっていいのに、むしろマイナスに落ちてる気がする。