俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
やめちゃえ意地っ張り
「きゃぁぁあああぁあ!!!」
「うわぁぁあぁああああ!!!」
えっ、えっっ!!
なんか迫力が去年よりパワーアップしてない……?
執事もお嬢様も悲鳴を上げながら、逃げるように校舎から出てくるんですけど……!!
そう、年に1度の度胸試し大会がとうとう始まりました。
それは執事の力量とお嬢様の奉仕力が試される、聖スタリーナ女学院の伝統的なイベントらしい。
「今年はやべぇよ、3階の職員トイレに本物を見たお嬢様がいるってよ…」
「まじかよ……音楽室も勝手にピアノが鳴ったらしいぜ」
ルールは簡単。
入り口で渡される鍵を持って、校内に隠されている5つの宝箱を開けていく。
そしてゴール地点である学院内のいちばん奥、美術室へと宝箱の中に入っているダイヤモンドを届けるというもの。
それだけなのに……どうにも今年はヤバいらしいのだ。
「真冬くん、私すごく怖いわ。腕を掴んでもいい?」
「どうぞ。中も暗くなっておりますので気をつけてくださいね、アリサ様」
なんでこーなる。
どうしてこうなった。
4人チームだとは知っていたけど、なぜわたしはお姉ちゃん&ハヤセペアとなの。