俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「え、早乙女、わたしたちも結局つなぐの?」


「は?」



お姉ちゃんと繋いでるのは、右手。

それなのに左手にも同じような感触があるような気がするのですが……。


早乙女?それともハヤセ?

いいえ、2人はわたしたちのうしろにいるのでそんなはずがない。



「……」



この冷たい感覚はなんだ……?

人間の体温を感じない、それそれはもう心配になってくる冷たさは。


ギィィィと、重い扉を開けるように首を動かしてみれば───



「あ……、こんばんはー…」



それはもう長いボサッとした髪を垂れ下げた白いワンピースを着た女性が1人。

顔だって髪の毛で隠れちゃってる。


これって井戸から出てくるような、そのままテレビから出てきちゃうような女性に似てるような気が……する…。



「で……でたぁぁぁああああぁああああ!!!!」


「エマお嬢様───!!」



うわぁぁぁぁぁ貞子じゃんんんんん!!!!

絶対そう!!!あれを貞子って言わなかったらわたしがそう名付ける……!!

貞子の名付け親になる……!!!



「ぎゃぁぁぁぁああああぁぁああ!!!」



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