俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「ハヤセすき、だいすきっ」


「もっとです。…ぜんぜん足りねえ」


「すき、世界でいちばん…っ」



唇の隙間を開けて、それだけ言わせて、また激しく重ねてくる。


学校なんか遅れたっていいや。

だって勉強についていけなくてもハヤセがいるもん。

わたしの専属執事は誰よりもすごいから。



「ぁ、んっ…!」



そのまま首筋に渡って、ピリッと痛みが走った。

赤い赤いシルシを幾つも付けられちゃってるような気がする…。


わたしを抱える手だって熱くて、その熱が全身に伝わってくる。



「ハヤセ、」


「…なんでしょう?」


「も、もう1回っ!…さっきの……舌入れるやつ、」


「…だんだんおねだりも上手になってきましたね」



それでも焦らしてくるように唇を合わせる寸前でほっぺにひとつ。

もどかしさに目線で訴えると、くすっと笑って今度はおでこ。


もうっ!意地悪だよ…っ!!



「んーーっ!ハヤセっ!」


「っ!」



首に回したままにぐいっと引き寄せた。

ちゅっと、ぶつかった唇同士から弾けたリップ音。


まさかわたしからしてくるとは…なんて驚いてる顔があって、ニヒッと笑ってあげる。



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