俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「指切りげんまんはしましたが、もうエマお嬢様自身の指は切ってはいけませんよ」
「あっ座布団1枚!」
「ふっ、ありがとうございます師匠」
そういう意味で言ったわけではありませんが───と、付け足された。
冗談も通じて、はしゃぐわたしに引かないでくれて、呆れたようなため息もしない。
今だけかなぁって不安もあるけど、でもやっぱり今までと全然ちがうから。
「ハヤセ、ハヤセは何歳なの?」
確か17歳で執事学校を卒業したとかどうの言われてたような…。
執事学校のことは詳しくは知らないけれど、このスタ女のように特別な授業が揃えられているらしく。
15歳から入学したとして、約2年で卒業って…。
執事学校は何よりも厳しく倍率も高いから、卒業までの平均年数は5年だと聞いたことあるのに。
「俺は20歳です。卒業してから3年間、イタリア首相の執事のひとりとして修行していました」
「……やっぱり本当だったんだ…」
そんなのスゴすぎるって…。
首相って、えぇ……。
17歳から首相の執事として生きてた人がどうしてこんなところに…。