俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
案の定、納得いくわけがないようで。
こうして毎日毎日愚痴を聞こえるように言われる。
そしてマンションに戻ってから「気にすることはありません」と、毎日優しく言ってくれるハヤセ。
ほんとうにできた執事だと思う。
「ねぇもうやろうよサッカー!休憩長すぎだよみんな!!」
「まだ15分しか休んでないわ」
「いや十分だわっ!3分の1占めてるじゃん!」
「あぁうるさい。八木、あの破壊神どうにかして」
あ、とうとう執事を使ってくる気だ。
だけど八木(やぎ)と呼ばれた1人の執事も、どうやら直接的にわたしには関わりたくないらしい。
「早瀬さん、エマお嬢様を大人しくさせてくれないか…?」
「俺のお嬢様が間違っていることを言っているなら動くが。間違っているならどこか間違ってるか正しく教えてくれ」
「……」
これはもう論破ってやつだ。
ハヤセは八木を簡単に黙らせた。
でも“俺のお嬢様”って言っちゃうの、なんかこっ恥ずかしい…。
そして執事の中でもSランクともなれば、彼らの中でも“早瀬さん”と呼ばれるみたいで。