俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「だからお前のクラスの授業は嫌なんだ…!!」
「…そんなこと言われても」
「ほら見ろ!!鼻血でてるだろ……!!」
「うん」
そんな呆気ない返事がだめだったらしい。
火に油を注がれて、先生は理性なくボールを蹴った。
そのボールの先は、校舎だ。
「きゃぁぁぁっ…!」
「大丈夫ですかお嬢様…!」
ガッシャーーン!!パリン──ッ!!
パラパラと破片が落ちたガラス窓。
それを見ていたクラスメイトたちはみんなして悲鳴、執事は咄嗟に守りに入った。
「なにをしているの!!危ないでしょう!!」
「また破壊神のクラスね……!?」
そして校舎内からは先生たちの声。
わたしじゃない、確かにことの発端はわたしかもしれないけど…。
でもこれだってわざとじゃないし流れの事故でしかないのに…。
「柊 エマ……!!お前は当分サッカー禁止だ!!」
「えっ、そんなぁ…」
小さく小さく謝ったけど、顔を青白くさせる先生にはきっと聞こえてない。
それにわたしの謝罪なんか最初から聞こうともしていないのだって知ってる。