俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「ハヤセ、」


「はい、なんでしょう?」


「…どうしてわたしなんかの執事になってくれたの?」



やっと聞けた。

これは本当は最初のときから聞きたくて気になっていたこと。



「エマお嬢様、これは何だと思いますか?」



するとハヤセはジャケットの内ポケットから、ひとつのある物を取り出した。

それは小さな長方形をしたクリスタルキーホルダー。



「あ、四つ葉のクローバーだ…」


「正解です」


「それわたしがあげたやつ…?」



大切に保管されるように、クリスタルの中に入ったクローバー。

わたしがあげたものに似ているけど…ちょっとだけ違うような気がする。



「…これは俺が9歳のとき、とある女の子から貰ったものなんです」


「そうなんだ!じゃあわたしがあげたやつもいずれキーホルダーになるのかな…?」



でもこのキーホルダーは何よりも大切な物なのかもしれない。

わたしの四つ葉よりもずっとずっと大切だから保管してるんだ、きっと。


なんか今のはすごくおこがましかったかも…。



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