俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




今、“ならなくていい”って言ったよね…?

聞きまちがいじゃないよね……?
ちゃんと聞いてたもんわたし。


それに続きも気になる……。



「それと、制服」


「せいふく…?」


「はい。ショートパンツ、すごく似合っていますよ」



これはだめだ。

完全に今の流れで、この空気感で言われたらダメな台詞ナンバーワンだ。


サラッと言ってしまうエリート執事はなんて奴なのかと。

すさまじい、凄まじいのだ色々と。



「そ、そーだよっ!あれ動きやすくて良いの!すごく!!」


「ですが丈が少々短すぎるんじゃないかと…」


「どこ見てるの…!?えっ、もしかして他の女の子のパンツとか見てるの……!?」


「どうしてそうなるのですか。見るわけないでしょう」



思わずメロンをパクっと一切れ、口に運んで気分を変える。

じゅわっと広がった甘い果汁。



「だめだよ見ちゃ!さすがにSランクだからってやっていいことと悪いことあるからねっ」


「…当たり前でしょう。見ませんよ、エマお嬢様のものしか」


「…………え。」



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