俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
彼にしか扱えないお嬢様
「これ可愛いっ!パレオになってる!」
「駄目です」
「え、じゃあこれっ!ビキニなんて初めて!」
「駄目に決まってます」
わたしは今、とあるショッピングモール内の水着ショップに来ている。
もちろん格好良すぎる執事をひとり連れているから、店員さんの目もお客さんの目もみんなしてハヤセへ向かって。
ちなみにどうしてそんなところに来ているのかというと…。
「だって絶対みんな可愛いの着てくるもん!」
「授業ですよ。それじゃあ泳げないでしょう」
「もうあの学校にそんなのないよっ!クラスメイトなんかぜったい“女は美貌が大切なのよ”、とか言ってくるしさ!」
そう、来週の体育の実技で水泳があるからだ。
けれど今は10月の半ば。
いまの時期に水泳?なんて誰もが思うけれど。
聖スタリーナ女学院には施設内に温水プールがあって、今の季節だとしてもまったく問題ないのです。
「お嬢様はこちらがよろしいかと」
「そんなの小学生じゃんっ!わたしこれがいいっ!ビキニっ」