俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「やーん、その水着かわいい~」
「そうでしょ?ハワイから特注で取り寄せたものなの」
「やっぱりあたしも取り寄せれば良かったかなぁ」
ほらほらこうなる…。
こんなの分かってたのに、わたしだけだよハヤセ。
ちゃんと水着を水着として買って水着として着ているのは。
「それにしても相変わらずねぇ~」
「私だったらあんなの恥ずかしくて着れないわ」
「あたしもぉ」
ハヤセだもん、選んだのわたしじゃないもん。あんたらが大好きなSランク執事だぞ。
なんて、案の定な目を送られる水泳の授業は始まった。
「理沙お嬢様!とっても素敵です!」
「茉子お嬢様も…!」
「いやいや友梨香お嬢様のほうが!」
更衣室から出れば、ズラッと並んだ執事に迎えられて。
そんな執事の目もいつもより少し生き生きしてるような気さえもする。
そりゃそうだ。
ビキニタイプにワンピースタイプ、ここはどこぞのリゾート地ですか。
「エマお嬢様、」
「ハヤセっ!」
「すごく格好いいですね。ライフセーバーみたいです」
「……」