俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「エマお嬢様、確かに俺は先ほどライフセーバーと言いましたが、」
するとハヤセはまるで聞こえていないように、わたしとの会話の続きを再開させた。
「ねぇ破壊神っ」
「それとこれとは話が別ですよ、エマお嬢様」
え、ハヤセ…?
いまは九条さんが何か言いかけてるんだけど…。
「ですがエマお嬢様、今日は大活躍でしたね」
何度も何度もわたしの名前を呼んでくれるハヤセ。
あ、これはたぶんわたしに対してじゃない…。
破壊神なんかじゃありません───と、九条さんへ伝えているのだ。
「え、エマっ!」
「お友達が呼んでいるようです、エマお嬢様」
「友達!?私が!?冗談じゃないわっ!!」
「ただのクラスメイトだったらわざわざ助けませんよ、エマお嬢様は」
わたしは任せることにした。
ここでわたしが変に話しちゃうと、九条さんを逆立てるかもしれないから。
だからハヤセに甘えることにした意図なんて、彼にはしっかり伝わってるはず。
「それに、人の命を救える女の子が破壊神なわけありません」