俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




何かに頼っていたくて、ひとりで立つのが怖くて、傍にいるハヤセの小指をきゅっと掴む。

無意識に掴んでしまってた。


すると応えてくれるように優しく折り曲げてくれる。



「あ、当たり前じゃないっ!2度とこんなこと言わないから…!じゃーねエマっ!」



バッと顔を上げれば、顔を真っ赤にさせたお嬢様がいて。

そのままふんっと鼻を鳴らすように背中を向けて行った。


そして傍にいた碇という執事は、優しくわたしに会釈してから続いていく。

……なんか今までのものとちがう。



「ハヤセっ!ハヤセ!!いまの見た!?」


「はい。お友達ができましたね、エマお嬢様」


「うんっ!やっぱりそーだよね!?やったぁ!!ともだちっ!友達っ!」



ぴょんぴょんと跳ねて嬉しさを全身で表した。

同じようにしてはくれなくても、何よりも嬉しそうに微笑んでくれるハヤセ。

気持ちの中では一緒になって飛び跳ねてくれているはずだ。



「誰が友達よ……!!バカエマっ!」



と、それも今までとちがう返事が響いた。


本当にハヤセの言ったとおり、思ってもないときに訪れた…。

やっぱりわたしを扱えるのはあなたしかいないんだよ。



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