俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「ハヤセ、わたしこれやりたくない…」
「頑張りましょうエマお嬢様。俺も全力でサポートします。それに、これが終わればお昼ですよ」
「…がんばる」
こうしてわたしは毎日毎日地獄のような授業を乗り越える日々。
だけど今までは味方なんか1人もいなかったのに、こんなにも近くに心強いスーパーマンがいてくれる。
それだけで何でもできちゃうような気がして。
「理沙っ!さっきの簿記のプリント、わたしに見せてっ!」
「はあ?なんで私があんたなんかに…!」
「いいじゃん!プールで溺れてたところ助けてあげたんだから!」
「ちょっ!大きな声で言わないでって言ってるじゃない…!!」
へへん、弱味を握ってしまったわたし。
そして他愛ない会話を交わせるクラスメイトもできてしまったわたし。
こうして毎日話しかけると、今までの馬鹿にしたような目とは違ったものが返ってくるようになった。
「バカエマ!!あんたには早瀬さんがいるからいーでしょ!!」
「あっ、理沙!明日の調理実習、同じ班になろーね!」
「嫌よ!」