俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
それは女子生徒ばかりを撮った写真が何枚も何枚も出てくる。
その中に2匹の猫にご飯をあげるためにしゃがんでいる見慣れた姿が1枚。
「あー!これわたしの脚ばかり撮ってる…!」
わたしってこう見えてるんだ……なんて、少しだけ面白かったけど。
でもこのおじさんがそれを眺めているんだと思うと、背筋が余裕でゾゾゾッだ。
「エマお嬢様、しばらく噴水を眺めていてください」
「えっ、なにするの…?」
「大丈夫です」
え、なにが大丈夫なの…?
ハヤセ、おじさんの襟を掴んでどうするつもり?どこに連れてくつもり?
「ハヤセっ、このまま海藻を被った人に知らせたほうがっ」
「大丈夫です」
答えになってない…。
その笑みの意味は何……?
その黒い笑みの意味は……なんですか…?
なんか逆に怖くなってクルッと背中を向けた。
「ぎゃぁぁぁああぁぁっ!!!いでででっ!!」
わーー、綺麗な噴水だなぁ。
水の音って落ち着くよねぇ、うん。
「もうしません…っ!2度としませんからぁぁぁ……っ!!うわぁぁあああっ!!」
これがわたしたちの絆の第一歩だ。
……たぶん。