恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<礼智との出会い・3>

それから1時間後くらいだった。
エレベーターの開く音が聞こえた。

警備のおじさんか・・・
顔を上げると

先ほどの通訳の男性が、廊下に立ってこちらに合図をしていた。
長身でかっこいい・・
かなりのイケメン・スーツ男子だ。

「僕、刈谷礼智というんだけど・・君のケーキが食べたいです」

「はい・・?」
私は笑顔で、首をかしげた。

「君の作るケーキは絶対おいしいはずだ。ベルトラン氏が言うのだから」
「はい・・」

礼智の視線は、
私のつくったばかりのホールケーキに釘付けだ。

この人はケーキバカ・・
いやスィーツ王子か?

私は思わず吹き出してしまった。
「今、切りますから、座ってください」
これが刈谷礼智との、
ファーストコンタクトだった。
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