恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)

小さな違和感

<小さな違和感と不安・1>

礼智とのデートは、必ずお目当てのケーキショップ巡りになる。

遠出もするし、観光地で思わぬ食材を発見するのも楽しい。

朝市や道の駅、生産農家を訪問するのも勉強になる。
礼智と私は、まったくよいコンビだった。

付き合って・・・
しばらくすると、私の中で小さな希望が産まれていた。

<自分のお店を出すこと>

礼智と私で・・
夫婦でやればおしゃれで素敵なお店になるだろう・・・・

厨房を切り盛りするしっかりものの奥さんと、イケメン旦那さんが接客して・・
イメージは膨らむ。

しかし・・
店を出すにはそれなりに初期投資金額がいる。
準備をしなくてはならない。

その目標が、私の心に生まれた時から・・・・

礼智の金銭感覚・・・
問題だと思うようになった。

デートの時
小さなショップや飲食店では、
礼智が先に店から出て行ってしまう。
レジで支払うのは私の役目・・
自然にそうなっていった。

大きなレストランやホテルで金額が大きい時は、礼智がカード決済する。

私にはそれも引っ掛かりがあった。
そのカードは、父親の銀行口座から引き落とされる。

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