恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<さび猫との遭遇・5>

その夜は、久しぶりの母の手料理が並んだ。

豚汁が美味しかった。
私にとってのおふくろの味だ。
母にとっては祖母の味。

味噌にこだわりがある。
手作りだ。

祖母も母も料理が好きだし、
食べることに関しては、マメに体を動かす。
苦労をいとわない。
その血が、私にも流れているのだろう。

母と並んで布団に入った。
私は草むしりや、焼き菓子つくりの疲れもあって、
あっという間に眠りに入ってしまった。
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