恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<さび猫との遭遇・3>

「みれいちゃん。起きた?」
母が、猫と入れ替わりにふすまから顔を覗かした。

「うん・・猫がいた・・」
「朝ご飯やったから・・その間に入り込んだのかも」

「いや、もし、ダニとかノミがいたら、すっごく嫌なんだけど」

私は頭をぼりぼりかきながら、
起き上がった。

「サビちゃんか・・懐いちゃったかも」
いくらなついても、人の顔になんでお尻をむけるのか・・
失礼な奴!

「なんか・・またヘンな夢を見た・・」
まだ、靴がない・・焦った気持ち

胸のみぞおちに、よどんでいる感じがする。
礼智との、これからの事を暗示しているような気持がした。

それを振り払いたくて、
部屋の窓を開けて、風をいれようとした。

窓下の小道をサビちゃんが、
ポテポテと朝の陽ざしを受けながら歩いていくのが見えた。

猫は気ままでいいな・・・
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