恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<不幸の連鎖・第2弾・その2>

はき慣れないピンヒールの靴が、
かかとにあたって痛い。
私は息を吐いて、礼智の隣の高めの椅子に座った。

気分は生ビールだ。
大ジョッキでぐいっといって、
ぷはっと息を吐きたい。

「何、飲む?」
礼智の前には
華奢なカクテルグラス・・
グラデーションの色彩が美しい。

「ブラディ・メアリーで」
私は唯一わかる、
一番アルコール度数の強いウォッカベースのカクテルの名前を言った。

「血まみれメアリーか・・荒れているね」
礼智が笑った。

「あの人・・誰?」
「ああ、フランス語を勉強しているんだって。それで教えて欲しいって」

ナンパ・・
どちらが仕掛けたかわからないが・・
勢いよく、一杯目の血まみれメアリーを飲み干した。

「なんか強いのが飲みたい・・」
私は結構強い方だ。
顔に出ないし、酔わない・・と思っている。

「そうだね。マルガリータはどう?
テキーラは強いし。
メキシコの酒だから楽しくなる」
「じゃぁ・・それで」
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