恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<不幸の連鎖・第2弾・その3>

礼智は優しい。
「大変だったね。みれいはしっかりしているから・・
みんなから頼られるよね」

た・い・へ・ん・だったね・・・

これって他人事だから言えるの?
私はマルガリータを、ぐいっと飲んだ。

私は・・誰に頼ればいいの?・・・

ライムのすっきりさわやかさが・・
いつもと違う脳のスイッチを入れた。

そのスイッチは、自分のドロドロをしまっておく壺のふたを開ける。

強いアルコールが、疲労の溜まった体を直撃する。

ドロドロが・・噴出した・・・

「あのさ・・礼智はさ・・
お客さんから怒鳴られたことなんか、ないよね」

二人でお店をやったら、たちの悪い客もくるんだよぉ・・

「毎月の家賃・・支払うの苦労したことなんかないよね」

売り上げがだめならどうするんだよ・・固定費はどうする・・

「10時間以上たちっぱなしでさ、足がパンパンにむくんでさ・・」

私の絡みに、礼智が困った顔をした。
「みれい、疲れてる?部屋に行こうか?」
「そうじゃないよぉ・・」

なんで<結婚しよう>って言ってくれないの?

私の求めているもの
それは・・それは将来の・・・

二人で今が、楽しいじゃないんだ。
違うよ。違うよ

「礼智はさ・・1万円稼ぐのに、
どれだけ大変か知らないでしょ!!」
私は立ち上がった。

その瞬間
かかとと足首の間に、するどい痛みが走る
・・・ズキズキズキ・・・・

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