恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<不幸の連鎖・第3弾・その2>

便器に座り・・・
ほっとすると同時に脱力と靴ずれの痛みが一気にくる。
ズキズキ・・
傷テープあったかな。タンスのどっかか探さないと。

便器の水を流す音で・・
もう一度考える。
王子様・・誰だ・・あれは・・

トイレから出て廊下を歩くと、
茶の間(畳)の明かりがついていた。

王子が、丸いちゃぶ台の前にあぐらをかいて座り、
日本酒の一升瓶とコップを置いて、酒を飲んでいる。
「まぁ、座れや」
王子が廊下につっ立っている私を見ると、声をかけた。

「あんた・・誰?」
王子は眼鏡を取った。
瞳が金色だ。
「お前らはサビって呼んでるだろう。ぞうきんネコとは失礼な言い方だが」
「はぁ・・?」
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