恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<不幸の連鎖・第3弾・その3>

目がテンになる。
「桜田家の守り神・祠の主・ねこ神だ」

王子はそう言うと、日本酒をぐいっとあおいだ。
そして気持ちよさげにプハァと息を吐いた。

「お前も飲むか?」
自称・ねこ神は空になったコップに酒をついだ。

こいつは、寝ている人の顔に尻つける変態猫か?!

「いつも飯もらっているからな。お前の望みを叶えてやろう」
ねこ王子は口角をあげた。
小さな牙が見える。

私の望み・・・・?

私は崩れるように、ちゃぶ台のそばに座った。

もし、礼智と結婚するのなら・・・
私の苦労をわかってほしい・・・・

いい年して親のスネをかじってさ・・・
ちゃんと現実を見てほしい・・・
お金は天から降ってくるものじゃないんだよって・・言いたい。

「刈谷礼智の経済感覚を・・・どうにかしたい」
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