恋は塩味(ねこ神様のお通り・失恋ファンタジー)
<ねこ神との生活・その4>

私はおばあちゃんち、いや残してくれた家を眺めた。

お金を貯めてリフォームして、
焼き菓子を作る工房にするか。
庭も手を入れて、
ちょっとしたオープンカフェにしてもいい。

それから、サビはイケメンねこ王子系の神だから、菓子の販売をやらせよう。
若い女の子や主婦の固定客がつく。

それに何といっても、人件費がかからなくてすむ。
キャットフードと猫缶なら安上がりだ。

「お前なぁ・・俺を働かせる気だろう・・
飼い猫にして搾取(さくしゅ)するつもりか」
サビが金の目で私をにらんだ。

「そうだよ。自分の飯代くらいは稼ぎなよ」
「はぁ・・」

サビはため息をついて、顔を私の胸の谷間にくっつけた。
まぁ・・猫だからね・・
発情期ではないし。かわいいし。

サビと一緒に暮らす事。
なんだろう・・楽しそうだ。
夜も晩酌相手になるし。
看板猫になってもらうのもいい。

「猫用ケーキでも開発するか」
私が言うと、サビは答えた。
「甘くないやつね」

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