振り返ると、あなたは
「聖子、今日すべすべやな」
健司さんは言った。

「ふふ。健司さんのためや」
私の身体はチリチリと高揚し始める。

元夫から多額の養育費を受け取っていた。だがそれも全てエステ代に消えてゆく。だから働いて補填していた。いけないことは、わかっていた。

仕事で、結月を迎えに行くのが間に合わないのは本当だった。

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