ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「なにこれ、ほんとにおいしい! おばあちゃん、最高すぎるよ」
それに、何度も食べているはずの朝食を、初めて食べたかのような反応も不思議だ。
「さあさあ、樹里も冷めないうちに、たんとお食べ」
「……うん、いただきます」
何日も連絡なしで帰らなかったのに、心配もしていない様子。まるでふたりとも、私がいなかったことに気付いてないみたい。
ううん、もしかしたら、全てが幻だったのかもしれない。
窓際に止まっている白い鳥を見て、ふと胸のあたりに手を当てる。ギュッとしめつけられるように苦しくて、あれは夢じゃないことを伝えている気がした。
転校初日。教室へ入ると、騒がしくしていたクラスがぴたりと止んだ。みんなが注目するなか、私は自己紹介をする。
やっぱり、この光景を見たことがある。
「小嶺さんは、1番うしろの席ね」
担任の三上先生のことも、よく知っている。ほんとうの姿は、白髪の魔女だということも。
でも、先生は初めて会うみたいに私と接している。
クラスメイトたちの視線をあびながら、席へ着いた。
前の席は、末森優希ちゃん。それからーー。
あれ、あるはずの席がない。となりに座っていた色白でキレイな男の子。
名前……そうだ、ルキくん。ルキくんが、いない。
それに、何度も食べているはずの朝食を、初めて食べたかのような反応も不思議だ。
「さあさあ、樹里も冷めないうちに、たんとお食べ」
「……うん、いただきます」
何日も連絡なしで帰らなかったのに、心配もしていない様子。まるでふたりとも、私がいなかったことに気付いてないみたい。
ううん、もしかしたら、全てが幻だったのかもしれない。
窓際に止まっている白い鳥を見て、ふと胸のあたりに手を当てる。ギュッとしめつけられるように苦しくて、あれは夢じゃないことを伝えている気がした。
転校初日。教室へ入ると、騒がしくしていたクラスがぴたりと止んだ。みんなが注目するなか、私は自己紹介をする。
やっぱり、この光景を見たことがある。
「小嶺さんは、1番うしろの席ね」
担任の三上先生のことも、よく知っている。ほんとうの姿は、白髪の魔女だということも。
でも、先生は初めて会うみたいに私と接している。
クラスメイトたちの視線をあびながら、席へ着いた。
前の席は、末森優希ちゃん。それからーー。
あれ、あるはずの席がない。となりに座っていた色白でキレイな男の子。
名前……そうだ、ルキくん。ルキくんが、いない。